Astronomical Accessories

アイピース差込み式 φ31.8

1.アッベアイピース

ツアイスの新世代屈折望遠鏡APQ(フローライトアポクロマート）用に設計されたアイピースで1994年11月に発売後、わずか10ヶ月後の1995年9月のアマチュア用天文機器の販売中止とともに生産が終了したアイピースです。その約1年後の1996年には未発表だった専用バローレンズやA-34とともに限定再生産されましたが、市場に出回った量が少なく、今ではプレミアが付く貴重品となっています。
 
アッベアイピースの基本設計はエルンスト・アッベによるものですが、従来のオルソアイピースがF10クラスの望遠鏡を基準に設計されていたのに対し、新型アッベアイピースはF8クラスを基準に設計されました。そのため硝材には高屈折ランタンガラスを使用し良質なマルチコートを施すことによって残存非点収差と像面湾曲の改善と透過率97％を達成しています。
 
 旧タイプのオルソと比較して視野が広くなり若干ハイアイになって覗きやすくなったことと、透過率の向上によって像が明るく色調もたいへんナチュラルになりました。ただし旧オルソと比較して歪曲収差は若干多くなっています。従来のASレンズやCレンズとも相性が良く素晴らしい像を結んでくれます。
No 品名 説明
1 アッベ　 A-4 他の高性能アイピースとの比較でもその優秀性を感じたアイピース
2 アッベ　 A-6 惑星用に優れた性能を発揮。
3 アッベ　 A-10 マルチコートのモノセントリックより抜けの良い像が見られました。
4 アッベ　 A-16 ハイゲンスH-16よりも抜けの良い像が見られました。
5 アッベ　 A-25 専用2xバーローレンズと組み合わせて見る月面は素晴らしい。
6 アッベ　 A-34 極めてシャープでハイコントラスト。
7 2Xバローレンズ A-25と組み合わせて見る月面は素晴らしい。


2.アッベⅡアイピース

 ドイツBAADER PLANETARIUM社が企画し、カールツァイス社で製造した新設計の惑星用アイピースが2008年に限定販売されました。アッベ式を改良した設計で高価な光学ガラスを用い、究極のZeissマルチコートを施した完璧な色補正とシャープネス、比類なき明るさを備えたアイピース。ハイコントラストを追及するため2枚の遮光バッフルを持ち、対象のセンタリングのためのバーチャルクロスヘア(仮想十字線)を装備しています。基本4本セットの専用木箱付きで販売されました。BAADERPLANETARIUMU社が自社のパーツを組み合わせたアッベ2xバローレンズは2007年に先行販売されました。
 No  品名  説明
  1  アッベ　AⅡ-4  
  2  アッベ　AⅡ-6  
  3  アッベ　AⅡ-10  
  4  アッベ　AⅡ-16  
  5  アッベバローレンズ2x　  BAADER PLANETARIUMブランド


3.ズームアイピース

 東独カールツァイスイエナ時代の地上用望遠鏡Aspectemに使用されていたアイピースを1992年頃に天体望遠鏡用に改造したアイピース。ツァイス純正のものとディーラーが改造したものがありました。
No  品名 　　　　　　　　　　　　　 説明　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
 1  ズームアイピースV10-25mm  ツァイス純正のものはCarl Zeiss Germanyの刻印あり。